新型コロナウイルス感染症の日を追っての拡大が、建設産業にも大きな影響をもたらしています。元請である大手ゼネコン・住宅企業の中には5月連休明けまでの工事の休止を発表する企業も出ています。
 新型コロナ感染防止に向けた現場の改善を求める声も現場従事者から次々と寄せられています。この間、ゼネコン数社には直接、個別現場の改善を要求し、一部改善をさせてきました。
 また、現場での感染防止の徹底と現場閉鎖を余儀なくされた場合の補償などについて、全建総連関東地協連絡会の交渉先大手建設・住宅企業に対し、4月23日~24日を中心に一斉要請を行いました。

(要求事項)
1.建設現場における感染予防対策の徹底と就労環境の改善について
 現場従事者から、「約1000人が密集し、すし詰め状態での朝礼が恐ろしい」、「私にも高齢の母がいます、助けてください」などの声が寄せられています。国交省は現場における感染予防の通知を出していますが、現場の声に寄り添った感染予防策の実施が必要です。「密閉・密集・密接」を避け、現場内での感染発生を防止する観点から、下請・職長会等にまかせるのではなく、元請責任・負担でコロナ対策を実施して頂くよう以下要望します。
(1)現場の換気に特段の努力をはらうこと。
(2)朝礼については、時間をずらしての複数回実施や、職長のみの参加にするなど多人数の密集・密接を避け、短時間で行うこと。
(3)詰所、現場各所への手洗い設備、アルコール消毒液の設置、検温など、接触感染を防止すること。
(4)元請としてマスクを配布し、飛沫感染を防止すること。

2.下請け契約及び下請代金支払の適正化の徹底について
 今後、現場内での感染拡大や「都市封鎖」「緊急事態宣言」などの事態に陥った場合に、建設現場の工事が全面的にストップする可能性があります。現時点でも、仲間からは「資材が入らず仕事ができない」「5月からの仕事がキャンセルになった」という声が寄せられています。下請業者の経営とそこに雇用される技能労働者の生活をいかに守るか、建設業の将来にとって重要な局面です。国交省は3月11日付の建設業団体に対する通知で、新型コロナウイルスの影響による、賃金・工事代金不払いの防止と下請保護をとりわけ強調し、建設業法41条2項3項の立替払い条項にも言及しました。その趣旨に則り、以下要望します。
(1)下請業者が施工する現場において、発注者・元請・上位業者から、工事又は業務の一時中止や工期又は履行期間の延長の申し出、指示等があった場合、「下請業者の責めに帰すことができないもの」であることを明確にし、工事又は業務の一時中止や設計図書等の変更、工事代金の追加等について協議し、合意・確認について必ず書面で再契約を実施するよう、最終下請まで元請から指導を徹底すること。
(2)工事の一時中止・延期や資材の納入遅れ等により、元請と下請あるいは下請間の工事内容に変更が生じる場合は、下位業者に不利益が生じないよう、変更内容に関して書面による見積依頼及び見積書の提出を徹底するとともに、各々の対等な立場に基づき、適正な手順により、書面による契約がなされるよう、元請として最終下請まで管理を徹底すること。
(3)工事の一時中止・延期や資材の納入遅れ等により、元請と下請あるいは下請間の工事内容の変更は、経営基盤の脆弱な中小零細企業の資金繰りに直結し、支障をきたす恐れがあります。公共工事及び民間発注者においても、中間前払金及び既済部分払の活用等を促進し、資金繰りに支障が生じないよう適切に配慮すること。
(4)新型コロナウイルスの影響により下請業者間に賃金・工事代金不払いが起きることのないよう、徹底した配慮を行なうこと。不払いが起きてしまった場合、建設業法41条2項3項の趣旨に基づき立替払いを行なうなど、下請と労働者を保護すること。

3.下請保護・雇用環境の改善について
景気の落ち込みが懸念されます。貴社現場における最終下請業者まで、今後の事業継続と雇用環境の改善、連鎖倒産防止のために必要な支援策等を元請責任として検討すること。
(1)工事の一時中断等に伴う、日給月払い労働者、一人親方等への賃金・単価補償、補填を元請責任で実施すること。 
(2)最終下請業者まで雇用調整助成金の活用、労働者への休業補償等が実施できるよう、元請責任を果たすこと。